特集:
2008/05/09 日記<司法書士>
司法書士
司法書士(しほうしょし)とは、司法書士法に基づき他人の依頼を受けて登記又は供託に関する手続きの代理及び裁判所・検察庁・法務局又は地方法務局に提出する書類の作成等の法律事務を業とする国家資格者またはその資格制度である。さらに法務大臣が実施する簡裁訴訟代理能力認定考査で認定を受けた司法書士(認定司法書士)はこれらの業務のほかに簡易裁判所における訴訟代理及び紛争の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額(140万円)を超えないものについて相談に応じ、又は裁判外の和解について代理すること等の法律事務も業とする。欧米諸国と異なり、「Lawyer」の業務が細分化されている日本において、司法書士などの隣接法律専門職を表す英訳語の選択は難しい。日本司法書士会連合会はその英語表記を「The Japan Federation of Solicitor Associations」としていることから、日本司法書士会連合会の採用する司法書士の英訳語は「 Solicitor(事務弁護士)」であると考えられる(なお、ソリシターはアメリカ英語では単に「訪問販売員」の意味しかない)。平成19年に公表された内閣官房による「出入国管理難民認定法省令」の翻訳によると、司法書士は「Judicial scrivener」(司法代書人)と訳されている。また、大韓民国|韓国では司法書士と類似した業務を行う国家資格者を:ko:???|法務士 () という。なお、日本司法書士会連合会は、法律事務の役務商標としてソリシターを出願したが、法律事務の役務の一般的な名称であるとして、特許庁に拒絶された。そこで、司法書士マークの横にソリシターと記載した図形商標として再度出願し、登録が認められている。この商標の役務内容として、他士業の業務を列挙しており、他士業と司法書士の軋轢が伺える。また、司法書士マークを並べていないソリシターとしての商標は、法律事務の役務としては拒絶されたが、雑誌のタイトルとしては特許庁に登録が認められている。その他、法務士、法理士、司法士の商標出願もしたが、すべて特許庁の拒絶査定を受けた。
司法書士又は司法書士法人の業務
業務内容は、司法書士法第3条及び第29条に規定されている。;司法書士法第3条第1項
: 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
: 司法書士法人は、第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。
簡易裁判所訴訟代理関係業務の認定
法務省令で定める法人が実施する研修であって法務大臣が指定するものの課程を修了し、さらに法務大臣が実施する簡裁訴訟代理能力認定考査で認定を受けた司法書士は第3条第1項第6号から第8号及び第29条第1項第2号の業務を行うことができる。なお、この認定を受けた司法書士を認定司法書士と呼ぶことがある。
業務制限
司法書士は登記に付随する添付書類の作成も行えるが、定款の代理作成は司法書士の付随業務に当たらないとの通達がある。また、「司法書士は扱えないとする事務次官の通達は今もなお変更されておらず、司法書士による定款の代理作成は、司法書士業務ではなく、付随業務にも当たらない」旨テイハン社の登記研究平成18年2月号に掲載されている。
弁護士法との関係
簡裁代理の認定制度が出来る前に、司法書士が合意書及び公正証書の起案を作成した事案について、平成19年4月19日付の東京法務局長による懲戒処分によると、「法律関係に立ち入り, 自己の判断をもって法律関係について解決策を提案した行為は法律相談にあたり, 司法書士の業務の範囲を超えるものといわざるを得ない。」と示している。このことから、仮に簡裁代理の認定を受けた司法書士であっても、簡裁管轄事件ではない事件(養育費の合意など)について公正証書の起案を作成する行為は、弁護士法に抵触するため司法書士には行えないと考えられる。
司法書士資格の取得
司法書士になるには2つのルートがある。
司法書士試験
ひとつめのルートは、法務省が実施する司法書士試験に合格することである。司法書士試験は、まず「筆記試験」が実施され、次に筆記試験に合格した者を対象にした「口述試験」が実施される。筆記試験は、毎年、7月の第1週(又は第2週)の日曜日に各法務局管轄の受験地で行われている。午前の部は、多肢択一式35問を2時間で解答する。科目は、憲法、民法、商法(会社法その他の商法分野の法令を含む)、刑法から出題される。午後の部は、多肢択一式35問と記述式2問を3時間で解答する。科目は、択一では供託法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法、不動産登記法、商業登記法から出題され、記述式では不動産登記、商業登記から出題される。これら11科目が試験科目であり、民法、不動産登記法、商法、商業登記法はまとめて主要四科目と呼ばれ、出題数の大半を占めている。口述試験は、毎年、10月中旬頃に実施される。試験科目は、筆記試験と同一の範囲からの出題となっている。難易度は高いとされるが、論文試験がないことから司法試験ほどの深い理解が求められるわけではなく、広く浅い知識を大量に暗記することが要求される上、合格者の需給調整をおこなっているため、合格が困難であるにすぎない。もっとも、登記法科目については、登記申請手続きの申請書を作成する試験があることから、実体法(民法・会社法等)の理解を前提とした登記法の深い理解が必要となる。司法書士試験の合格率は、ここ数年平均2.8%前後で推移している。
職務従事経験者
ふたつめのルートとして、一定の職にあった者の中から、考査の上で司法書士資格を得ることも出来る。具体的には、法務大臣の「司法書士の資格認定に関する訓令」第1条に、次に掲げる者は, 法務大臣に対し, 資格認定を求めることができるとあり、 (1) 裁判所事務官, 裁判所書記官, 法務事務官又は検察事務官として登記, 供託若しくは訴訟の事務又はこれらの事務に準ずる法律的事務に従事した者であって, これらの事務に関し自己の責任において判断する地位に通算して10年以上あったもの (2) 簡易裁判所判事又は副検事としてその職務に従事した期間が通算して5年以上の者が規定されている。その者が資格認定を求めた場合の判定は、口述及び必要に応じ筆記の方法によって行うと規定されている。
資格取得後
筆記及び口述試験合格後、または法務大臣の認可を受けた後、事務所所在地を管轄する都道府県司法書士会へ入会して、日本司法書士会連合会が行う司法書士名簿への登録を受けなければ司法書士としての業務を行うことができない。また、二人以上の司法書士を社員とする司法書士法人を設立することもできる。
罰則
司法書士会に入会している司法書士または司法書士法人でない者(公共嘱託司法書士協会を除く)が、司法書士の業務を行ったり、司法書士または司法書士法人の名称またはこれと紛らわしい名称を用いたりした場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる(司法書士法第73条、第78条)。なお、報酬の有無に関係無く無資格者がその業務をおこなった場合は罰則の対象になる。
司法書士の徽章
司法書士の徽章(バッジ)は、「五三桐花」(意匠である「五三桐花紋」は、日本では比較的ポピュラーな家紋でもある)。直径13mm、厚さ約3mmで、裏に通しのナンバリングが施されている。司法書士徽章は、司法書士会に入会後交付され(実際には、貸与される。貸与料は、返還まで6500円)、退会届提出時、あるいは業務停止の処分を受けたときは司法書士会に返還しなければならない。
司法書士会無認可負担金徴収問題
参入規制を防ぐため、入会時の負担金徴収は会則に規定し、法務大臣の認可を受ける必要がある。しかし、会館維持名目などで、認可を受けていない負担金を8団体の司法書士会が徴収してニュース(毎日新聞2008年3月10日大阪夕刊)となった。回答をしていない大阪司法書士会以外の司法書士会は、支払いを拒否した者はいないと記者に述べている。また、支払いをした元会員からは、大阪司法書士会に対して、「入会時に20万円を支払わなければ入会手続きは出来ない。」との説明を受けていたとして、20万円の返還を求めた訴訟が提起されている。これに対して、大阪司法書士会は、「(納付時期が明記されていないので)納付しなくても入会は認められる。自主的な納付を期待するものだ。支払わなくても不利益処分や制裁はなく、会則への記載は必要ない」といった旨の主張をしている。
:(出典 毎日新聞 2008年3月10日 大阪夕刊)
関連団体
関連項目
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